「領土主権」と「施政権」



「領土主権」と「施政権」

mamatoto(mamatoto) / 作成時間 : 2012-10-06

さて最近「『沖縄返還協定』において、アメリカは「領土主権(sovereignty)」ではなく行政的な権利を意味する「施政権(administration)」だけ認めた」との報道がなされています。ここまでは異論はありませんが、ある韓国人たちや韓国メディアはこの報道を受け「アメリカ政府は尖閣諸島に対する日本の施政権を認めたが、領土権は認めなかった」という主張を繰り返しています。

さて、これらの主張は正しいのでしょうか?

答えは「歪曲された嘘」です。

その点を説明しましょう。

『沖縄返還協定』において、アメリカが日本に移譲したとされるのは、「これらの諸島の領域及び住民に対する行政,立法及び司法上のすべての権利(第1条1項)」です。

この協定(条約)で言及されているのは「施政権(administration)」です。「領土主権(sovereignty)」は含まれていません。

なぜ「領土主権(sovereignty)」が言及されていないのでしょうか?

それは「すでに沖縄(尖閣)の『領土主権(sovereignty)』は『日本が保有している』から」です。そのため「アメリカは自分が保有していない『領土主権(sovereignty)』を日本に移譲することができない」ために、『沖縄返還協定』では「アメリカが保有する『施政権(administration)』だけしか移譲できなかった」のです。

これは沖縄(尖閣)の「residual sovereignty」つまり「残存主権(潜在主権)」は日本が保有することと確認されていたからです。

「残存主権(潜在主権)」とは、外国の統治下にある地域に潜在的に有する主権のことです。つまり「施政権(administration)」は外国が保有するが、「領土主権(sovereignty)」については元の国が保有する、ということです。この概念は「返還された香港」などに代表される「租借地」に当てはめるとよく理解できるでしょう。

この「残存主権(潜在主権)」は、まず1951年サンフランシスコ講和会議において、沖縄(尖閣)の「領土主権(sovereignty)」について「Japan to retain residual sovereignty」と言及されました。

そして1957年6月21日の日米共同声明で、「The President reaffirmed the United States position that Japan possesses residual sovereignty over these islands.」と公式に明文化されました。

戦後、沖縄は米国の信託統治下に置かれましたが「施政権は米国がもつが、領土の最終処分権は日本に属する」とされていたのです。

そのため、アメリカは沖縄(尖閣)に対する『施政権(administration)』だけしか保有していなかったのです。
『自分が持っていないものを与えることはできない』という法格言がありますが、まさにその通りです。
沖縄(尖閣)の「領土主権(sovereignty)」はアメリカではなく日本が保有していました。そのために「沖縄返還協定」で、アメリカは自分の持っていない「領土主権(sovereignty)」を返還できなかったのです。



さて韓国人が「歪曲した嘘」を主張するのはよくあることです。
しかし今回の主張は「日本にとって嬉しい主張」です。なぜでしょうか?

韓国は竹島の領土権を主張するに当たり「SCAPIN 677」を根拠にしてきました。
「SCAPIN 677で、竹島は日本から除外された。だから竹島は韓国の領土と認められた!」と韓国人は主張します。
ではSCAPIN 677を確認してみましょう。

SCAPIN - 677
SUBJECT : Governmental and Administrative Separation of Certain Outlying Areas from Japan.

1. The Imperial Japanese Government is directed to cease exercising、 or attempting to exercise、 governmental or administrative authority over any area outside of Japan、 or over any government officials and employees or any other persons within such areas.

SCAPIN 677で言及されているのは「施政権(administration)」です。「領土主権(sovereignty)」ではありません。
自分で自分の主張を否定しているようです。これは「自爆」という奴ですねw



wajin (wajin) 2012-10-06 13:15
途中まで読んでSCAPINの件をコメントしようと思いましたが、きちんとオチをつけているのは流石です。米国の一貫した態度というもの見えてきますね。韓国側の嘘、こじつけとはわけが違います。

wajin (wajin) 2012-10-06 13:22
竹島と尖閣を同列に扱えばどちらも中国や韓国の正当性を印象付けられると思った韓国は浅はか。竹島と対馬を同列に論じるようなものでひとたびでも論じたら韓国側に否定的なダメージが残る。まだ政府レベルの主張ではないかもしれないが。

pinponpanpon (pinponpanpon) 2012-10-06 13:38
mamatoto 分かりやすい、非常に良い文だ。

azumanisiki (azumanisiki) 2012-10-06 15:31
確かに良スレですね。青IDの感想やら、反論が欲しい所ですが、この掲示板では、難しそうです。

kemukemu (kemukemu) 2012-10-07 01:17
( ^▽^)<mamatoto氏、こんばんは、KJのスレより追加してますね。

mamatoto (mamatoto) 2012-10-07 01:22
kemukemuさん、こんばんわ。あちらの方もそのうち直します。というか直している途中です。GOとは違い、KJはアカウント無しで閲覧できるので重宝です。

mamatoto (mamatoto) 2012-10-07 01:35
あー・・・KJの方は内容の修正ができないですね・・・残念。

mamatoto (mamatoto) 2012-10-07 01:36
azumanisikiさん<つっこみどころは残しているのですが・・・食いつきませんねぇ・・・

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韓国の竹島が韓国領だという言い分に次のようなことがあります。

連合国総司令部は日本占領期間中、別途の命令を下すことなく、連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第667号を適用しつづけており、サンフランシスコ平和条約の締結直後、日本政府も独島が日本の管轄区域から除外された事実を確認した。

日本政府は1951年10月、サンフランシスコ平和条約に基づいて日本の領域を表示した「日本領域図」を衆議院に提出したが、その地図には明確な線が引かれ、独島を韓国領と表示している。

※ SCAPIN第677号では、独島を鬱陵島とともに日本の統治対象から除外する地域と規定している。

- SCAPIN第677号:3.この訓令のため、日本とは4つの本島(北海道、本州、九州、四国)と約一千の隣接小諸島を含むものと規定される。(一千の隣接小諸島から)・・・除外される地域はⓐ鬱陵島・Liancourt Rocks(独島)・・・などである。


韓国は、「SCAPIN第677号」を持ち出して「日本が放棄した」としていますが、これが「施政権(administration)」の部分で、領有権の話ではありません。この施政権と領有権を勘違いすると韓国や中国の言い分に対して「なるほど・・」となってしまうので注意する必要があります。

ただ「SCAPIN第677号」の6項には次のようにきちんと書いているんですが、韓国ではこういう自分に都合の悪いところは見てみないふりをしてしまいます。

この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。

Nothing in this directive shall be construed as an indication of Allied policy relating to the ultimate determination of the minor islands referred to in Article 8 of the Potsdam Declaration.


なお 『日本政府は1951年10月、サンフランシスコ平和条約に基づいて日本の領域を表示した「日本領域図」を衆議院に提出したが、その地図には明確な線が引かれ、独島を韓国領と表示している』と言う部分は『「日本政府も確認している」と捏造する韓国』で詳しく解説しているのでそちらを参考にしてください。



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